皆さんは「キャンプ道具」と聞くと何を思い浮かべますか?
僕がキャンプを始めようと思った時に、最初に思い浮かべたものはテントでした。
しかし、いざテントを購入しようと思っても種類の多さや値段がピンキリ過ぎて困ってしまいました。膨大な種類の中から選ぶのはなかなか難しいですよね…。
そこで、今回は色々なテントを使ってみた上で行きついた僕なりの「テント選びのコツ」と、その考えを踏まえたおすすめテントのアメニティドームについてご紹介します。
テントはちょっといいものを買おう!
安い物から高い物まで幅広く試した僕がたどり着いたのが「テントはちょっといいものを買う」という結論です。
僕は新しいことを始める際は安いものから試しで使ってみるのですが、簡易テントや無名メーカー品など複数のテントを購入して使用した結果、安心して一晩過ごせると思える商品は1つもありませんでした。
いずれの商品も安価なことは魅力ですし、天気が穏やかであれば問題は無いのですが、ほんのちょっとの雨風にすら耐えられないのです。
初心者の頃に、格安の簡易テントを使ってキャンプをしようとしたこともありましたが、テントが飛ばないように必死で押さえる、雨がしみ込んでくるなどトラブル続きで、最終的には骨組みも折れてしまいました。
僕はテント=家だと考えています。遊び疲れていざ寝る場所が、いつ吹き飛んでしまうかわからない不安たっぷりな場所だったらどうでしょう。僕だったらおちおち寝ていられません…。
そのため、テントは一夜を過ごす大切な家と捉えてちょっといいテントを選ぶようにしましょう。
ちょっといいテントの基準
僕が考えるちょっといいテントの基準は以下の通りです。
- 有名メーカー(スノーピーク・コールマン・ロゴスなど)
- 価格は2~3万円台
- 耐水性能についてしっかりと記載がある
いざこうしてみると、普通のことじゃんと思うかもしれませんが、今の時代そうとも限りません。
画像や文字だけで購入した結果、痛い目を見ることも…。
僕がネットで購入した聞いたことも無いメーカーのテントは、商品ページのタイトルには耐水と書いてあったものの、詳細には耐水の仕様についての記載がまったくありませんでした。さらには実際に使ってみると、小雨にも関わらず水が浸み込んできてしまう始末…あれは辛かったです。
その点、有名メーカーであれば店頭で商品展示をしていることが多く、実際に手に取って吟味することができるので安心ですよ。
財務省(奥さん)の許可を得るのであれば、実際に触れることって大事ですよね^^;
また、キャンプの経験がまったく無い場合は、メーカー名を聞いてもピンとこなくて、どれが「有名メーカー」なのかもわからないですよね。
僕もキャンプを始めた当初は全くメーカーがわからず、店員さんにおんぶに抱っこ状態でした。そんな場合はとりあえず超有名メーカーのコールマンを選んでおけば、間違いありません!
コールマンの中でも「最初のテント」として人気なタフドーム/3025などはアウトドアショップには必ず商品がありますし、様々な地区にあるアウトレットモールなどにも出店しているため、買い物のついでに立ち寄って実物を確かめることも簡単です。
デザイン性を重視するのであれば、ロゴスのティピーテントなんて面白いかもしれません。普通のテントと違ったデザインで、おしゃれにキャンプを楽しみたい人にはぴったりだと思います。
そして、これらはいずれも3万円台のエントリーモデル(初心者向け)のテントです。
3万円で初心者向け!?と思うかもしれませんが、ファミリーを想定した4~5人用テントの価格帯としては決して高い部類ではありません。
正直なところ、ネット通販などで買える無名メーカーであればもっと安くテントを買うことはできます。3万円も出せば、そのメーカーのハイエンドクラスや他のキャンプ道具も購入できるでしょう。
しかし、そういったメーカーは品質が一定でない場合が多く、経験上耐久性に難ありなものがほとんどです。僕は二度と買いません。
一方で、有名メーカーのテントは使用されている材料や耐水圧(雨などに耐えられる性能)などのスペックから考えればかなりお買い得だと言えます。
エントリーモデルはハイエンドの血を引いている
なぜ有名メーカーのエントリーモデルはお買い得なのかというと、ハイエンドモデルの材料や製法がエントリーモデルにも採用されていることが多いからです。
出典:コールマンジャパン株式会社から引用
例として、先ほど挙げたコールマンのエントリーモデル「タフドーム/3025」とワンランク上の「ブリーズドーム/270」を比較してみましょう。材料の共通部分は太字にしています。
名称 | タフドーム/3025 | ブリーズドーム/270 |
定員 | 4~5人 | 4~5人 |
サイズ | 約300×250×175(h)cm | 約270×270×170(h)cm |
材料 | フライ:75Dポリエステルタフタ(UVPRO、PU防水、シームシール)
インナー:68Dポリエステルタフタ(撥水加工) フロア:210Dポリエステルタフタ(PU防水、シームシール) ポール:(メイン)アルミ合金 約φ12.8mm(フロント)FRP合金 約φ12.7mm (リアバイザー)FRP合金 約φ8.5mm |
フライ:75Dポリエステルタフタ(UVPRO、遮光カPU防水、シームシール、テフロン撥水)
インナー:68Dポリエステルタフタ(撥水加工)、コットン混紡ポリエステル フロア:210Dポリエステルオックスフォード(PU防水、シムシール) ポール:アルミ合金(メイン、フロントφ12.8mm、リアバイザーφ9.3mm) |
耐水圧 | 約2,000mm | 約3,000mm(フロア:約10,000mm) |
ブリーズドームはタフドームの上位モデルで約26,000円の価格差がありますが、スペックを見比べてみると使用されている材料に共通するものが多くみられます。
両者は耐水圧が大きく異なりますが、基本設計はほぼ同じです。極端なことを言えば、「その性能に対して26,000円という価格差が生まれている」のだと推測できます。
つまり、エントリーモデルはそのメーカーの持つ技術を惜しみなく投入されており、かつバランスよくコストカットされているものということですね。
コストカットと聞くと一般的には品質の低下をイメージしてしまいがちですが、エントリーモデルは必然的に初心者が手に取る機会の多くなる商品です。
有名メーカーが、そんな大事なポジションの商品をないがしろに扱うわけがないですよね。
壊れることを覚悟したうえで、とにかく安く揃えたいなら無名メーカーテントもありかもしれませんが、長くテントを使っていきたいと思う方は、各メーカーの技術が投入された有名メーカーのエントリーモデルを選択しましょう。
おすすめはアメニティドーム!
先ほどまではコールマンのテントを例にしてご紹介してきましたが、僕がおすすめするのはsnow peak(スノーピーク)から発売されているアメニティドーム(通称アメド)です。
スノーピークは新潟県三条市に本社を置く日本のアウトドアブランドですが、残念ながらどこのショップにも商品を置いているというわけではありません。その点、一般的な知名度でいえばコールマンの方が上かと思います。
しかし、スノーピークの強みはユーザーを虜にする機能美溢れる見た目と品質の高さ、アフターフォローの手厚さで、それに魅了されるファンは初心者からベテランまで数多くいます。
正直なところ、同規格帯のテントであればコールマンの方が値段は安いのですが、アメドを手に取ったことでスノーピークの魅力に触れることができ、もうこれしかない!と思いました。
アメドがおすすめの理由
僕はテントを買いたい、という人には迷わずアメドをおすすめしています。
単純な理由ですが、僕自身が買ってよかったと思った商品なので、同じようにその「よかった」を感じてほしいからです。
友達はもちろん、これから道具選びをする人には失敗してほしくないですからね。
皆さんにもこの「よかった」を1つずつお伝えしていくので、感じてもらえたら幸いです。
フレームの色分けで設営手順が超シンプル!
「アメドはドーム型といわれるごく一般的なテントで、フレームをテントの内幕に通して自立させるという設計になっています」
と、いきなり言われてもわからないですよね。
初めてテントを建てる時にこんなことを言われても、チンプンカンプンでまるで呪文のように聞こえると思います。なんだか小難しそうで、僕もよくわかりませんでした。
アメドはそういった小難しいことを解消するべく、フレームと通す穴に色分けがされており、どこにどのフレームを通せばいいか一目瞭然になっています。
出典:株式会社スノーピークから引用
色分けがされていることで、説明書を見なくてもテントを組み立てられるくらいに、作業を直感的に行うことができます。
また、家族でテントの設営をする時にも「緑色を合体させて」など、子どもさんにお手伝いを頼みやすくなるかもしれませんね。
考え抜かれた耐風性
キャンプにおける大敵は何だと思いますか?
それは「風」です。テントは大きな構造物なので風の影響を受けやすく、最悪の場合は倒壊や吹き飛んでしまうこともあります。
僕が最初に買った無名メーカーのテントは、風の強い日にテントを張ったところフレームが折れて壊れてしまいました…。
一方アメドはその風に対して、テントの形状やフレームによって風が逃げやすくなるよう設計されています。
出典:株式会社スノーピークから引用
前からきた風がテントに沿って抜けていくのがわかりますね。
僕はこの図を見た時に「テントにダウンフォースが効いているおかげで風に強いのでは」と考えましたが、いくら調べてもわからなかったのでスノーピークに問い合わせたところ、翌日にはお返事が届いていました!
お問い合わせ頂きました、アメニティドームにつきましては、
スポーツカーのダウンフォースとは異なり、
あくまで風を受け流しやすい構造となっております。地面に向かってテントを押し付ける力がはたらくと、
かえってフレームに負荷がかかりますので、
フライシートに風が吹いても面で受けとめずに、
風を受け流すように設計されております。株式会社スノーピーク:返信メールから引用
風をテントの構造でうまく逃がしているそうですが、フレームへの負荷のことも具体的に返答されているため、製作段階で同じことを検討されたのかもしれませんね。
なにより、質問をしてから1日以内の返信で正直びっくりしました。さすがスノーピーク!!その対応の良さにどんどん好きになっちゃいます!
他に類を見ない高い耐水圧
アメドを購入した時に1番の決め手となったのは耐水圧の高さ(耐水性能)です。最初に買ったテントでは水が浸み込んでくるという恐怖体験をしたため、買うなら絶対に雨に強いテントがいいと心に決めていました。
テントの耐水圧は〇〇mmと表記され、一般的に1,500mm以上あれば強い雨でも大丈夫とされています。
アメドは1,800mmミニマムと基準を超える数値だったので購入したのですが、「ミニマム」という言葉がわからなかったため調べてみると、以下のような情報が集まりました。
- スノーピークの独自規格
- どの部位で測定しても1,800mmを保証している
- 他社の耐水圧に直すと3,000mm相当になる
公式HPやレビューサイトなどから得た情報ですが、最後の耐水圧に関しては情報元が確かでなかったため、またまたスノーピークに問い合わせをしてみると次の返事がきました。
アメニティドームの耐水圧を簡単に申し上げますと、生地に1,800mm(1.8m)分の水圧がかかっても水漏れしない、 ということを意味しますが、一般的な計測方法ですと、生地の複数点で耐水圧実験を行なって、
耐えられた水圧の平均値で算出しています。 一方でスノーピークの耐水圧実験では、
実験した全ての点で耐えられた水圧を基準としております。つまり、同じ耐水圧1,800mmで比べてみますと、
・一般的な基準
生地の場所によって1,800mmで水漏れすることもあるし、しないこともある。 ・スノーピーク基準
生地のどの部分であっても1,800mmでは水漏れしない。各製品でミニマム表記のスペックを公開しておりますが、その他の計測値は非公式、非公表の情報となります。出典:株式会社スノーピーク返信メールから引用
裏付けの取れていなかった3,000mm相当の耐水圧に関しては、非公式の情報だとわかりましたが、いずれにしても高い耐水性であることには間違いなさそうです。
この質問メール以外にも何通かやり取りをさせていただきましたが、いずれも即対応ですぐに不安を取り除くことができました。このように丁寧な返事がくると、その企業に対する信頼度がより一層増しますし、商品に対する自信が見て取れますね。
この質問をしたのはアメドを購入した後の話ですが、雨に対する安心感は何倍にもなりました。そのおかげで最強の防具を手に入れた主人公の気分で安心してキャンプに臨んでいます。
デメリットはたったの2つ!
ここまではアメドの魅力・メリットを紹介してきましたが、アメドにもデメリットはもちろんあります。
僕が思うデメリットは2つあるのですが、メリット故のデメリットと言えばいいのでしょうか。いずれも、製品をより良いものにしようとした結果生じていることなので、納得して購入するのであれば全く気にならない部分だと思います。
他社よりも高めの値段設定
1つ目は、初心者なら特に気になるお値段についてです。
アメド、というよりもスノーピーク全般に言えるのですが、他社製品と比較すると価格が高めに設定されています。ちなみにアメドMの最安価格は楽天市場で40,480円です。(2020年4月10日現在)
一方、何度も引き合いに出しているコールマン・タフドーム/3025はというと、楽天市場で最安価格が38,000円となっています。(2020年4月10日現在)
タフドームはグランドシートなども付属しており、それでいて約2,500円安いです。この差額でLEDランタンなど他機材を購入することもできるため「かなり大きな差」だと感じます。
しかし、一見するとただ高いように見えてしまうアメドも、先に紹介したような特徴を考えるとどうでしょうか。
耐風性や耐水性など、本当にその機能が必要な人にとっては適正な金額に思えてきませんか?
また、競争心理でいえばライバルと値段を揃える、もしくは安くして勝ちに行こうと思いがちですが、「値段が高くなっても良いものを届けよう」というメーカーの姿勢がぶれていない証拠だと僕は思います。
そして、アメドが製品販売をこれまで続けられているということは、この価格差があってもアメドを選ぶ人がいるということです。
価格は額面だけを見ればデメリットかもしれませんが、お値段以上のメリットがあることを製品に触れた人は知っているということですね。(僕もその1人です)
立つことができない天井の低さ
もう1つの気になるポイントは天井の低さです。
アメドは耐風性を高めるために、全高を低く設計されています。天井の高さは150cmとなっており、他社テントと比べると明らかに低いです。(タフドームは175cm)
僕は身長が184cmあるのですが、テントの中でまっすぐに立つことは当然できません。テント内に荷物を運び入れる時に「低いな…」と不便さを感じることがあります。
とはいえ、僕は寝るときだけテントの中に入るという割り切った使い方をしているので、さほど気にはしていません。
しかし、テントの中で食事や団欒を楽しみたい方にとってはこの低さはデメリットになってしまいます。
これはキャンプのスタイルによって異なりますし、実際に使用してみないとわからない部分です。
友人がアメドを持っていれば体験させてもらうことが1番ですが、難しい場合はレンタルサービスを利用するのも手だと思います。
購入前に使用感を確かめられるのはもちろん、たまにしかキャンプをしないのであれば、自分で買わずにその都度レンタルサービスで済ませてしまうのもアリですね。
あまり知られていませんが、実店舗のみでなく楽天市場などのネットショップでもレンタルサービスが利用可能です。ネットでの手続きでお手軽に利用できるので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
アメニティドームはエントリーモデルのテントですが、購入から2年以上経った今でも現役バリバリの頼もしい相棒です。
価格が高いことや背が低いことなどデメリットもありますが、エントリーとは言い難いその性能はキャンプに大きな安心感を与えてくれます。
テントの購入に迷われている方は是非一度手に取って、触れてみてください。
僕のように魅了されてしまうこと間違いなしですよ^^
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